
例の欅一枚板を削っている。まさに”格闘”。でもコイツだってそう簡単にゃやられたくないだろう。なにせワシよりも長く生きていた
のだから。しかし欅とは本当にきれいである。切り屑まで美しい。
物作りは微妙である。ワシはサラリーマン時代機械設計の仕事をしていたので、図面描きは比較的得意だ。家具を作り始めた今も、
しっかりと図面を完成させてから製作にとりかかる。図面の段階でかなり完成度を高めたつもりでも、いざ作ってみると
「なにか違うなー」の連続である。これは実際に自分で物作りをしたから味わえる感触であって、かつてのように図面を描けば終わり、
の時には味わえなかった事だ。これが味わいたくて脱サラしたようなものだから、本望であるわけだ。知り合いの木工家には
「図面なんて描かないよー」なんて人もいる。二次元と三次元では、あたりまえだけど雰囲気がまるで違う。柳宗理も言っているけど、
まず手を動かさないといけない、と痛感する今日この頃である。