
今、工房に大きな欅の一枚板が横たわっている。お客さんから材料支給で製作を依頼された座卓の材料である。
よく木工家が「何百年も生きた木を加工するのだから、気が引き締まります」などと言っているが、ワシはただただ
「こんなに重いもの、どうやって加工しよう?」とそればかりが思案の対象である。助手など雇う余裕はないし、
雇っても、材料を移動する時のほんのちょっとの時間しか必要ないので、やはり一人でやるのがよさそうだ。
相当な期間寝かせてあったようで、完全に乾燥し、色もあせているが、ひと皮むけばきれいな欅の黄色と強烈な香気が漂うだろう。
気が引き締まるよりも、楽しみの方が大きいかも。